皆さんはジャズという音楽を聴いたことがありますか?
カフェやバーで流れるBGMとして聞いたことがある方はたくさんいると思いますが、音楽として真剣に聴いたことがある方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、ジャズを聴いたことがない方に向けて、一番最初に聴くべきジャズのアルバムを紹介したいと思います。
Miles Davis「Kind of Blue」
結論から言うと、タイトルの通りMiles Davisの「Kind of Blue」というアルバムになります。
まずは何も考えずにこの曲を聴いてみてください。
Miles Davis – So What
普段聴いているJPOPとは全く違う音楽であることは一聴してわかると思いますが、一体何が違うのでしょうか?
それは、それぞれの音楽が持つ構造の違いによって説明ができます。
「コード」と「モード」
こちらの記事で、音楽はコード進行によって生まれる不安→安心の動きを推進力に進んでいくという解説をしました。
普段聴いているJPOPソングは、全て「コード」によって作られた音楽です。
これに対して、先程聴いていただいた「So What」という曲は、コードが進行しません。
こちらが「So What」の楽譜になりますが、「Dm」というコードしか登場していませんね。
このような音楽を、「コード」に対して「モード」と呼びます。
モードとは何か
コードで作られた音楽は、コードの響きの違いを推進力にしていましたが、モードで作られた音楽は、何を推進力にしているのでしょうか?
モードは直訳すると「旋法」すなわち「ドレミファソラシド」のことです。
モード音楽は、この「ドレミファソラシド」の配列パターンの違いを推進力にしています。
すごくざっくり比較するとこんな感じです。
これによって、不安→安心というコード進行のルールから解放され、より自由な音楽を作ることが可能になりました。
あなたの耳で確かめてみてください
元々は、ジャズもコード進行で作られた音楽でした。
1959年、Miles Davisによって「Kind of Blue」すなわちモード音楽が発明され、即興演奏との親和性の高さから急速にジャズ界へ浸透していきます。
2021年現在、約60年前に発明された「モード」という音楽をどう感じるか、あなたの耳で確かめてみてください。